常時SSL化とは、Webdサイト全体をHTTPS化(通信の暗号化)することでセキュリティを向上させます。通信を暗号化することにより、第三者からブラウザとサーバー間の通信データを盗聴・改ざんされるリスクを防ぎます。SSL/TLSという技術を使用することで、サイトを訪れる方が安心して利用できるようになります。
これまでは、個人情報等やパスワードを入力するようなログインページやクレジットカード決済ページ、個人情報の入力ページのみをHTTP化して通信を暗号化していましたが、ここ数年ではGoogle社のHTTP化を推進する動きがあり、それにより世間の関心も高まり、Webサイトの常時SSL化が求められています。
早い段階から、世界的規模で利用されているウィキペディアを皮切りにTwitterやFacebook、Yahoo、Googleなどが常時SSL化に対応していました。日本の企業では上場企業(3,709社:2019.12)のうち76.4%(2833社)が常時SSL化に対応しています。
このように、今後上場企業だけでなく中小企業でも管理するWebサイトでは常時SSL化が常識となりつつあります。
現在、Google社が提供しているWebブラウザソフト「Google Chrome」では、SSLに対応していないサイトにアクセスすると「保護されていない通信」と警告がアドレスバーに表示されます。
こうした警告が常時SSL対応をしていない、あなたのサイトで表示されるとサイトの訪問者は不安を感じ、信頼感が低くなってしまいます。さらに、パスワード入力画面に「保護されていない通信」と警告されるとパスワード等の入力を躊躇するようになってしまいます。
パスワード等を入力して利用するサイトでは、多くの個人情報を取り扱っています。もし、このようなサイトで警告表示が出ると、サイトを訪れた人は閲覧やサービスの利用をためらってしまうのではないでしょうか。新規のお客様の獲得や売上に影響を及ぼすだけでなく、既存のお客様が離れていってしまう可能性も大いにあります。こうしたリスクはサイトを運営していくうえでは、大きな問題に発展しかねないです。
GoogleChromeは日本国内・世界でも多数存在している「Webブラウザ」です。シェアは長期にわたって増加を続けていて、デスクトップ向けPCのWebブラウザとしては一般的となっています。
2019年12月現在、日本国内のWebブラウザランキングでは、1位・2位・5位・8位にChromeシリーズがランキングされており、約54%のシェアを占めています。また、世界シェアでも約60%がChromeシリーズを使用しており、今や主要なWebブラウザになっています。
日本国内のWebブラウザランキング
世界のwebブラウザシェアの割合
Google検索結果に表示されるサイトの70%以上がSSL化したURL(https://)であると言われています。常時SSL化がSEOに与える影響をみてみますと、Google検索では「サイト所有者の皆様にHTTPからHTTPSへの切り替えをおすすめしたいと考えています」とあるようにGoogle社では常時SSL化(HTTPS化)を推奨しています。
しかし、現在SSL化しただけでは表示順位が上位あがることはありあせん。サイトの内容がこれまで通り重要視されています。
常時SSL化は検索順位に影響力を及ぼすほどの要素ではありませんが、Google社ではユーザビリティを高めるためにセキュリティの向上を最優先と考えているため、常時SSL化を推奨しています。
そのため、今後SEOへの影響力が高まってくる可能性は大いにあります。
まだ、常時SSL化をされていないサイトは導入を検討する必要があるのではないでしょうか。
セキュリティの向上
SSL/TLSにてHTTPS化(通信の暗号化)をするため、第三者による通信内容の盗聴や改ざんを防ぐことができます。また、SSLサーバー証明書はWebサイトの運営者の実在性を確認するため、第三者のなりすましがないことをすべてのページで証明することができます。
信頼性の向上
常時SSL化によりセキュリティが向上することで訪問者からの信頼性が向上します。現在主流になりつつあるWebブラウザのChromeでは、常時SSL化されていないサイトにアクセスした場合、「保護されていない通信」と渓谷が表示されます。
常時SSL化されたサイトでは「保護された通信」と表示されるとともにカギマークも表示されるため、サイトの訪問者に安心感を与えます。
Webサイト表示の高速化
常時SLL化によりHTTPS化すると、HTTP/2が使えるようになります。これは、主に使われているHTTP/1.1よりも速くWebサイトを表示することが可能なため、Webサイト表示の高速化になります。
ログ解析精度の向上
アクセス解析を行うGoogle Analyticsでは、「リファラー」というWebサイトの訪問時に参照元がわかる機能があります。WebサイトがHTTPS化されていると、HTTPとHTTPSの両方のページからリファラーを確認できるため、アクセス解析の精度が上がります。
自身が運営されているサイトがhttpの場合、HTTPS化されたWebサイトから訪問するとリファラーが確認できず参照元がわかりません。
訪問者数の向上
Google検索では検索順位を決める要素の一つとして、常時SSL化を使用すると公表しました。もちろんサイトの内容による検索順位の変動への影響力に比べれば、まだまだ小さいものですが、良い影響を与えることができるとは思います。また、今後影響力が高まっていく可能性もあります。
その意味でも常時SSL化によって訪問者数の向上も期待されます。